春の青空の日曜日、私のお茶の先生がお席持ちをされるお茶会があり、
私も、お点前をさせていただきました。
今回のお席のテーマは、「平和」と「さくら」。
当日は写真を撮る余裕がなく、写真でご紹介できないのが残念なのですが、
床の間に飾られた掛け軸やお花、香合、釜、そしてもちろん、
茶碗や茶杓、お菓子など、茶室の中の要素の一つひとつに
亭主である先生の平和への思いや、季節感を反映した美意識が
込められていました。
お茶会でお客様たちは、正客と亭主が繰り広げる問答を通じて、
お道具が選ばれた意図を知るだけではなく、自らの五感をフル活用して、
亭主の「おもてなし」を読み取ります。
舞い散る桜の花びらの美しさを楽しめるのは、
私たちが、いま、平和な世の中に暮らしている証。
今年は、終戦から70年を迎える節目の年だからこそ、
選ばれたテーマだそうです。
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利休が茶の湯の心得を百首にまとめた「利休百首」の一つに
以下のものがあります。
「茶の湯とは ただ湯をわかし 茶を点てて のむばかりなる 事と知るべし」
茶道というと、敷居が高いイメージを持たれることもありますが、
私は、その根本にあるものは、実は、非常にシンプルなものではないかと
捉えています。
形式にこだわり過ぎると、心が伝わらないし、
形式を無視すると、無作法になる。
その微妙なさじ加減の中で、移りゆく季節や美意識が
茶室という空間に反映されるのではないでしょうか。
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平塚茶道協会 茶会
2015年4月12日(日) 於 光円寺 庫裏席
<会記>
床: 「不動干戈致太平」(ふどうかんかたいへいにいたす) 巨海(大徳寺 349世)
※武器を動かさなければ平和に到る、の意。
花入: 紫青銅 長壺 山口浄雄 造
花: 白雪芥子
香合: 琵琶 眞清水蔵六 造
釜: 桜川地文 佐藤浄清
炉縁: 鎌倉 四方斎在判 博古堂 造
棚: 自在 宗白好
水壺: 一重口 清水六兵衛 造
薄茶盛: 輪島 富士ヶ峯 四方斎在判 松寛 造
茶碗: 青井戸脇
替: 黒楽(円相)
替: 嵐山
茶杓: 祈り 牧雲(南禅寺)
蓋置: 薩摩 千切 沈寿官
建水: 備前
御茶: 金輪 小山園 詰
御菓子: ひとひら 菊毬製