いよいよ、茶室にて、茶道文化体験がはじまりました。
先生は、茶人の揚さん。
やさしく穏やかな語り口で、丁寧なレクチャーをしていただきました。
茶葉は、数種類の中から2種類選ぶことができます。
私たちは、最初に凍頂烏龍茶、次に東方美人茶を選びました。
どうやら茶葉によって使用するお道具が変わるようで、最初のお茶・凍頂烏龍は、小さな急須を使って淹れていただきました。丁寧に時間をかけて淹れてくださった一杯。黄金色に澄んだ美しいお茶です。
中国茶は日本茶と違い、何煎もいただけます。
(茶葉によりますが、5~8煎くらいと聞きました。)
凍頂烏龍茶のギュっと縮まった茶葉が少しずつ広がっていくので、杯を重ねるごとに変化する香りや味を堪能できます。
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次のお茶までは、しばらく自由時間があります。
お茶を飲み過ぎて、少し「たぷたぷ」になったお腹を気にしながら、建物の中を自由に散策させてもらいました。
ちょうど雨が上がったばかりの清々しい空気をたっぷり吸って、気分転換。
お茶に使っているお水は、豊かな自然が広がるこの山の湧き水を沸かしたものだそうです。
お水もいただきましたが、甘くてやわらかい味がしました。
次のお茶(東方美人)は、「オリエンタル・ビューティ」という名前にひかれて選びました!
こちらは、茶葉の形が大きいためか、中国茶器の蓋碗を使用されていました。
最初と異なるお道具や所作を見ることができたので、よい選択だったようです。
東方美人は、凍頂烏龍に比べると発酵度が高く、紅茶に近い色や味わいが特徴です。茶葉の形や匂いも、凍頂烏龍とは全く異なります。飲んだ後の後味がとても甘くて、幸せな気持ちになったお茶でした。
最後に、はちみつ水を出していただき、約3時間の茶道文化体験が終わりました。
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日本の茶道は、少し敷居が高いと思われがちです。しかし、私は、その根底にある精神性は、非常にシンプルなものであると捉えています。
それは「目の前にいる相手に、美味しいお茶をお出しすること」。
そのために、心を尽くして準備をし、感性を研ぎ澄ませて、よりよいコミュニケーションを図ります。
そして、その精神性は、台湾の茶道文化の中にも、確かに存在すると感じました。限られた時間と空間の中で、揚さんと私たちの4人が「場」を作り出し、そこにある種の「美」を見たように思います。
まさに、一期一会の経験ができました。