きゅログ

さつき茶会

2015-05-10| テーマ きゅログ, すきなこと |

青空が広がった5月の連休のある一日、先生のお茶室で茶飯釜の茶事が催されました。

茶飯釜は、茶湯と同じ釜を用いて、懐石の「ご飯」を、茶席で炊きます。

その由来は、千利休と同時代の侘び茶人、丿貫(へちかん)が
高価な道具を一切持たず、手取り釜ひとつで、雑炊も茶も
まかなったことにあるのではないか、と伝わっています。

茶飯釜は、両面に、それぞれ「飢来飯」と「渇来茶」という文字が
鋳出してあります。
「飢来飯」は、腹が減ったら飯を食べに来てください、
「渇来茶」は、のどが渇いたら、茶を飲みに来てください、
という意味で、ご飯を炊くときと、茶を点てるとき(湯を沸かすとき)とで
釜の向きを入れ替えます。

また、ご飯の炊ける香りを味わうために、
茶飯釜の炭点前の際には、香は焚かないそうです。

「松風清心」とお軸に記されたことばがピッタリな
初夏の爽やかな風が流れる茶室で、
茶飯釜に白米を入れる美しい所作拝見し、
ご飯を炊いている炭の音や色を楽しみ、
だんだんご飯が炊けてくる美味しそうな香りを味わい、
滅多にできない貴重な経験をさせていただきました。


・・・

皐月茶会

<本席>
床:「松風清心」 希斎 
釜:茶飯            

<濃茶席> 
水壷:   青磁 浮牡丹      
茶入:   京            
仕覆:   回々織
茶盌:   青井戸脇         
茶杓:   千代の友 
蓋置:   唐銅 胴〆  浄雄造
建水:   木地 曲
御茶:   金輪    丸久小山園詰
菓子:   まんじゅう 山田屋製
器 :   縁高          

<薄茶席> 
花 入:  竹 亀甲
花  :  
薄茶盛:  葵 唐草        
茶 盌:  志野    源九朗窯             
替  :  赤膚    楽斎造
蓋 置:  京    昭阿弥造
御 茶:  和光   丸久小山園詰
菓 子:  あん松露 千壽堂 和三盆