今年最後のお茶のお稽古。
お床には、「放下著(ほうげじゃく)」(お筆:円覚寺 慈雲和尚)の
お軸がかかっていました。
この時期、茶室には「無事」のお軸がかけられることが多いそうですが、
先生は、いつもこの「放下著」を選ばれるそうです。
「放下著」とは、禅語で「放下せよ、捨ててしまえ」という意味の語です。
この短い語の中には、「真の『無一物』とは何か?」という深遠なる問いが
含まれていますが、日常生活の視点に置き換えて考えてみると
「人は欲張って、あれもこれもと欲しがるけれど、
必要最低限のものさえあれば、生きていける」
ということではないでしょうか。
12月に入り、私も、少しずつ事務所や自宅の大掃除を進めていますが、
時には、心の大掃除も必要だということを、茶室で教えていただきました。
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参考文献:
『原色茶道大辞典』(淡交社、1975年)