8月の茶室。
先生が水差しの「ふた」代わりに、蓮の葉を載せて、この時期にしか見ることのできない趣向を
見せて下さりました。
写真だとちょっと見にくいのですが、葉っぱの中心に水滴を置いて、涼を演出。
葉っぱの「ふた」を外したら、そのまま丸めてしまうので、お点前の最後には、
扇子を広げて置きます。
蓮は、水揚げが難しく、すぐにしおれてしまうので、数時間も持ちません。
10:00からのお稽古に合わせて、朝一番に切ったのですが、葉っぱの鮮度を保つことは、
難しかったです。
この日の掛け軸は、「一期一会」。
まさに、「今、この時、目の前の相手と心を尽くし合う」という精神的な贅沢を感じたひとときでした。
植物や花は、その存在そのものが、自然が作り出した美の一形態です。
さらに、いけばなでは、ひとの手を加えて、枝や葉や花の「形」、「色」、「空間」などを見極めて、余分と思われるものを省略しながら「自然の美とはちがう、ひとのおもいによる美」(※1)を作り出しています。
今回のいけばなの稽古での課題は、「単純化の極」。
テキスト(※2)では、以下のように述べられていました。
【単純化の極】
・・・それ以上省略すると、その植物素材ではなくなってしまう、いけばなではなくなってしまう、というぎりぎりまで作品のあり方を考えていくのです。ということは、極限まで単純化されたその作品は、逆にすべてを含んでいなければならないということ、つまり最少の要素で最大のものが表現されていなければなりません。・・・(※2:p76)
「どの枝を省略すればいいのか?」
枝と向き合いながら、吟味していると、いつのまにか、自分自身と向き合うことになります。
余分なものをそぎ落としていくと見えてくる本質。
「単純化」というのは、ただ簡単にすることではなく、強固な基礎があってこそ、表現できること。
これまで習ってきた基礎の重要性を痛切に感じました。
1本の枝と1輪の花をいけるのに、1時間以上かかってしまいましたが、
「基礎を積み重ね続けることの意義」を学んだ実りある稽古となりました。
・・・
【参考文献】
(※1)勅使河原 茜『草月のいけばな1[花型]』(2008,草月文化事業株式会社)
(※2)勅使河原 茜『草月のいけばな4[素材と空間]』(2008,草月文化事業株式会社)
工事の遅延が続いておりましたが、ようやく弊社のウェブサイトをリニューアル・オープンいたしました。
弊社では、ウェブサイト制作業務を「頑丈な家を建てること」と同じように捉えています。
どんなに美しい家も土台がグラグラではすぐに壊れてしまいます。ウェブサイトも、コンセプトや構成、技術などの土台がしっかりとしていなければ、たちまち色あせてしまいます。
これからも、見えないところにこそ手を抜かずに、強固な土台のウェブサイト構築を心掛けて尽力いたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今回のリニューアルでは、普段からお世話になっているデザイナーのyucoさんに多大なるご協力をいただき、完成に至ることができました。この場をお借りして、心からお礼申し上げます。